二又の仕掛け
二又は三脚と違い吊上げた重量物を、吊上げたまま少し移動可能にする便利な工法です。
図1 二又の設置状況
丸太を組んだら樹木のなるべく高い位置にチェンブロックを付けます。実際は「チルホール」という機械を使いますが、無いときはチェンブロックを利用します。
チェンブロックのフックを垂直線上、石碑を置く中心に合せます。丸太の脚を広げたり縮めたり、後ろのワイヤーを調整したりして二脚を固定します。
図2 目標物に合わせて寝かす
樹木のチェンブロックで二又を寝かし落ちた石碑に合せます。スリングベルトでとりあえず石碑を地表に立てます。ベルトを石碑の中央附近につけて、ベルトが伸びたり、スベッタリのを調整をして吊り上げます。
図3 吊り上げ
石碑を立てたら専用のクランプで吊り上げますが、クランプが無いときは滑らないよう注意し、スリングベルトで吊り上げます。二又に付けたチェンブロックで石碑を吊り上げます。吊り上げたら樹木のチェンブロックを操作し二又を起こします。
墓石専用クランプ、石材の幅により使い分けます。墓石3段移動するなら3種類必要、価格は一つ3万円以上。
図4 据付
石碑を置く前に接着剤(ボンドコーク)を塗り、バランス調整用の鉛玉を四隅に置きます。二叉を台石に合せたら石碑を下げます。石碑を正確な位置に置いたら、石材専用のショックレスカケヤで石碑の頭を叩き、垂直、水平を調整します。
逆倒れ防止ロープは樹木が附近にあるとき利用、無いときは人力で支えます。ロープは最初から付けます。
接着剤の正しい塗り方。震災で落ちた墓石を見ると、サイコロの「五」「四」塗りばかりです。「枡目」に塗ります。
図 正しい接着剤の塗り方
図 クランプの無いときの台石の据付方
二又の要領は石碑と同じです。先に下の台石にワイヤーを抜くとき触らない程度接着剤を塗り、四隅にパチンコ玉(ボールベアリング)か板を置きます。
台石はスリングベルトが使えないため、台石の角に鉄アングルをあて6ミのリワイヤーで吊り、四隅のパチンコ玉か板の上に置きます。ワイヤーを金テコか大バールではずします。ワイヤーをはずしたら、四隅のパチンコ玉か板を、鉛玉(7mm)に交換して正確な位置にあわせます。
位置を合わせたら、ショックレスカケヤは無いですね、水平器を見ながら、5kgの鉄ハンマーで台石を叩きます。ゴム板か木材を置いて軽く加減しながら叩きます。
セットがすんだら、目地の両脇に紙テープを貼って、接着剤をぬりヘラで平均にならします。紙テープはすぐに剥がしてください、少しでも時間を置くとうまく剥れません。
補足図
二又の結び方。図は上から見たときです。ワイヤーを8の字に3回位巻いて、真ん中も下から上へ3回巻いて、ワイヤーの最後(尻尾)を針金とペンチでほぐれないように止めます。二又の長さは最低5mくらい、スリングベルトは対面に1本づつ2本必要です。1mのワイヤーを二つに折ってチェンブロックを吊るします。
二又に使う丸太の長さの目安
作業半径=丸太を寝かす最大値
吊上げ空間=A+B
吊り上げ空間3メートル
作業半径 | 2.5M | 3.0M | 4.0M |
丸太長さ | 3.9M | 4.2M | 5.0M |
吊り上げ空間4メートル
作業半径 | 2.5M | 3.0M | 4.0M |
丸太長さ | 4.7M | 5.0M | 5.6M |
吊り上げ空間5メートル
作業半径 | 2.5M | 3.0M | 4.0M |
丸太長さ | 5.6M | 5.8M | 6.4M |
※丸太は結束するため50センチプラスになります。
!!この作業は二又の仕掛けに理解がないと危険です。